卒業生の皆様へ

 今、日本は大きな転換が必要な時代に入っています。アジア諸国の中で常に他の国々を牽引していた時代を経て、中国、韓国、インドなどの目覚しい台頭の中、経済的にも政治外交においても、例えば沖縄の普天間基地移設の問題や国内では長引く不況の中、就職氷河期とも言われる深刻な問題が多くあります。
 塾では、勉強だけでなく自分は将来何がしたいのか、なぜそう思うのか、15歳までの人生の中で体験したことも振り返りながら考えたこともありました。また、本当は頑張りたいのにどうしてもそうはならない自分の心の内はどうなっているのか一緒に探したこともありました。そして、必ず最後の授業では作文を書いてもらっています。自分は高校受験を通して、以前はこうだったけれど、今はこう思えるようになった、それはこんな気持に転換できたからだと一人ひとりが毎年自分たちの気づきを書いてくれています。
 皆さんにとって、高校受験は初めての試練だったと思います。勉強しなければいけないとはわかっていても時間だけは過ぎていき、思うように点数が取れずイライラした日々もあったかもしれません。どの高校に進学したらいいのかわからず高校見学に通ったこととか、志望校を変更した時の挫折感、そして合格発表のときの喜びなど多くの出来事と出会った1年でした。でもだからこそ、あの試練があって皆さんは人間的に成長し、自分の未来へと一歩踏み出していったのです。 もちろん、志望校合格という結果は大切ですが、それと同時にそこに至ったプロセスを忘れないでほしいのです。
 皆さんは勉強を通して持続力や忍耐力や集中力を鍛錬していったのです。そして、その力が次なるステップに挑戦する時に目には見えない力になります。これからもさまざま出来事に出会っていくことになるでしょう。その時に自分が変わった時に今までとは違う現実が開けるということを大切にしてほしいと思います。
 そして、何よりも自分の中にまだまだ自分でも知らない可能性があることを信じてください。今、日本は本当に試練に強いたくましい日本人がどの分野でも必要とされています。中3のときに語ってくれた将来の夢はこれから変わることもあって当然です。でも、「私はこんな願いを持っていたんだ」そのことは誰でもなく自分なんだと自信を抱いてこれからの3年間を生き生きと歩んでいただきたいと心から願っています。
 響ゼミナールは、いつもそんな輝く皆さんを応援しています。