だって、聞いてわからなかったらもっと嫌だから

本当はできるようになりたいのに
できないことをとても恐怖しているKさん

 中3のKちゃんは、中2の2学期から入塾してきました。
お母さんが言うには「勉強以外のことは気がつくいい子なんですが、勉強は嫌いで全然しない」とおっしゃられました。事実、Kちゃんは塾に来てもほとんど口を聞かず、わからない所も質問せず、時には歌を歌ったりする日々が続きました。
さらには何も言わずにぷいっと帰ってしまうこともありました。
一体何を考えているのかわからず、ある時は、自分が持ってきた問題集を道路に捨てようとまでしていました。
「なぜ、そこまでわからない所を聞かないの?」と彼女が来て何カ月かたってからたずねました。
そうすると「だって、聞いてわからなかったらもっと嫌だから」という返事が返ってきました。本当はできるようになりたいのにできないことをとても恐怖している彼女の姿が初めてわかりました。
それからは、何回もKちゃんがわかるまで同じ問題をしてもらい、
少しでもできるようになったら、しっかりと評価してほめるようにしました。
そうすると、自分からわからない所を聞いてくれるようになってきました。
高校受験では自分の志望校に推薦入試は不合格であったのに、
もう一度一般入試に挑戦し、倍率3倍の厳しい受験でしたが見事合格することができたのです。