人は必ず成長する存在-1
人は必ず成長する存在-1
生徒さんとの関わりの深さと心の成長は、成績のよう見えるものではありませんがそのつながりの深さが目にみえるものに大きな影響を与えます。
高3のE子さんとの関わりは彼女が中学2年生の時からでした。彼女は私立の女子校に通っていて、学校のレベルもかなり高く、授業も中3の1学期で中学の内容は終わるといった速いペースでした。
そのE子さんが、ずっと目標にしていた医歯系の大学に見事合格しました。
「私は数学が伸びない、絶対無理」といつも自信なさげに言っていたE子さんだけに、合格したと塾に報告しに来てくれた時は、本当にうれしかったです。
でも、彼女との関わりは、決して最初からスムーズではありませんでした。
何事においても完璧ではないと納得しない彼女は、中学生の時に数学の点数が思うように取れず、「私が点数が取れないのはこの塾のせい」と涙を浮かべながら訴えてきました。普通ならこの時点で彼女は塾をやめていたと思います。
その彼女との関わりがある時、大きく変わりました。
彼女が常に、「できる、できない」で一喜一憂していることの原因が家族からの期待であり、そのことが大きなプレッシャ-になっていることを聞かせてもらった時からかもしれません。
「先生、もういや。疲れた。」と学校での出来事を頻繁に話してくれるようになり、私たちの距離は少しずつ近くなりました。
そして、彼女は高校生になり塾のかけもちが始まりました。英語が抜群にできる彼女でしたが、彼女には幼い時から医療関係に進学したいとの想いがありました。
でも、学校の先生からは、英語力を生かして文系の大学に進むことを勧められ、理系の大学への進学はかなり大変だとまで言われていました。
だから絶対に数学や物理ができないとだめと一生懸命努力するのですが、なかなか思うようにならないと夜遅く泣きながら携帯に電話がかかってきたこともありました。
(続く)