親の四つのタイプ-3
「最後は子どもが決めること」のマイペースタイプ
このタイプの保護者のお子さんは、おそらく友達から「○○ちゃんとこのお母さんはいいよな。優しいし、テストの点を見ても、うちのお母さんのように怒れへんし。うらやましいわ」と言われることが多いと思います。
「何やかんや言っても、勉強するかしないかは本人次第。あんまりしつこく言っても効果ないし、反抗されて逆効果になるぐらいなら・・」とお母さんご自身は無意識につぶやいておられないでしょうか。
確かに頭ごなしに理由を聞かないで叱るのは考えものです。でも、子どもさん自身は、本当はもっと率直に関わってほしいと感じる場合もあります。中3のC子さんがテスト前に友達と遊んでいて、それに腹を立てたお母さんが学校の先生にそのことを注意してもらいたくて電話をなさったことがありました。C子さんはそのときはお母さんに対して「何で、余計なことをするの!」と不満をつのらせていました。でも、一緒に遊んでいた友達のB子さんに「それだけC子ちゃんのことをお母さんは思っているんや。うちのお母さんは何も言わないわ。おこられんようになったら終わりやよ」と言われたそうです。
出来事やお母さんの対応は違うとしても大切なことは、子どもさんが悩んだり、迷っているときに「一緒に考えよう、お母さんやお父さんが学生のときはこうだった」とアドバイスをすることで子どもさんは、自分の心の中でもやもやしていることが整理できたり、自分の本心に気づくことも多くあります。
「あなたが自分で決めたらいい」は最後の言葉としても、「今、この子のためにできることは何か」とお子さんの気持ちになって考えることで子どもさんとの絆も深まります。何よりも、子どもたちにとって身近な人生のモデルはお父さんやお母さんです。親であると同時に一人の先行く先輩として、お子さんが思いっきりぶつかれる存在になっていくのも必要な時があると思います。(続く)