親の4つのタイプ
子どもたちが4つのタイプで勉強に取り組んでいるように、親の方々にもお子さんと関わるときにやはり4つのタイプがあるように思います。特に代表的なタイプを取り上げてみました。「最近、子どもの気持ちがわからない。何を考えているのかさっぱり」と思われているなら参考にしてみてください。
「私がなんとかしなくちゃ」のエネルギッシュタイプ
このタイプの保護者の方はとにかく面倒見がいいのが特徴です。子どもさんが困らないように先に手を打つことが当たり前。幼いときなら、忘れ物のないように前日から点検を怠らない。まさに頼れるお母さん、お父さんです。「私の言うことを聞いていたら間違いないから」と、どんどん良かれと思って物事を進めてしまいがちです。
でも、なぜか子どもさんが大きくなるにつれて、お母さんの言うことを聞かなくなるか、何も言わなくなってしまう。「一体、この子は何を考えているのかわからない」と心の中でつぶやいたことはないでしょうか。
確かに子どもには反抗期という時期もありますが、誰でも自分の思いを言葉にするには時間もかかります。私も塾の子どもたちに「先生、ちょっと待ってよ。考えてるんだから」と言われたり、こちらが「将来はどんな目標を持っているの?」とたずねても「わからない。」としか返事が返ってこないことも多々あります。そんなとき「この子はこうだからたぶん・・」と自分の思いこみを横に置くことを心がけています。それで、そのときはそれで終わってもまた、別の機会に話を聞いたり、子どもの方から何か話すまで待つようにしています。そうすると、思いもかけないような子どもたちの気持ちを聞くことができます。
この間も中2のA子さんと話をしているときのことでした。A子さんは、塾の毎月の目標挑戦シートに「できるようになりたい」と書いていました。私は、最初、A子さんは成績をもっと上げて、家族にほめられたいのかなと思っていました。でも、本人に直接確かめたわけではないので、「どうしてできるようになりたいの?」と聞いてみました。そうすると「できるようになって学校でわからないと言っている友達に教えてあげたいから」と話してくれました。
A子さんはいつもおしゃべりで何でも話すというタイプではありませんが、自分が他人のために何かしてあげることはないか、そんな他人を支え励ます可能性が彼女にはあるように感じました。最初から自分の気持ちを素直に話すのは勇気がいります。しかし、何を言っても黙って聞いてくれる、受けとめてくれる人がいることで子どもたちはとても素直な面を見せてくれます。「この子は何を考えているのかわからない」から「この子の思いをぜひ聞かせてほしい」と向き合ったときに、そこには少しずつ大人へと成長している子どもさんと出会うことができると思います。信じて、見守ることに挑戦されることもこのタイプの方にはよいのではと思います。(続く)