贈る言葉-3

贈る言葉-3
 3月13日は、中学校の卒業式です。塾の中3生に卒業お祝いメールを送りました。
卒業って新しい世界への旅立ちってイメージがします。
「13日、中学の卒業式やよ」と言ったら「もう、そんな時期か。早いなあ。」と言われました。たった1年前の出来事なのですが……。
 中3生のC君もその一人です。彼は外国からお母さんと二人で小学6年生の時に神戸にやってきました。世界的に活躍できるようにとのご両親の思いから日本に来ることになったそうです。彼が塾に入ってきたのは去年の夏休みからでした。
 「とても日本語がうまいなあ」がC君の第一印象でした。二人きりの授業の中で、C君は今までのことをいろいろ話してくれました。
 初めて日本に来たときは習慣が違うことでとまどったことや、中学生になってからは、お母さんが夜も働いていたので、夜よく遊んでいたことやけんかをしたことなど、いわゆるやんちゃ坊主だったそうです。
 「先生、怒りってどうやったら抑えることができるんや?」と真剣に言われたこともありました。
 でも、私が最初に会った時、「C君は将来どうなりたいの?」とたずねたことがあります。すると「お金持ちになりたい」との返事が返ってきました。
 「どうしてお金持ちになりたいの?」
 「おかんに楽させてやりたいから」と言われました。その言葉がとても心に残りました。
 塾に入ってからは、受験が近づいてきても必死になって勉強するのでもなく、特に英語は苦手でなかなかはかどりませんでした。
 そうこうしているうちに進路を決定する時期になりました。
 当初、C君は合格できる高校ということでA校にしたと報告してくれました。
 でもC君の願いは技術を身につけて就職するということだったので普通科しかないA校は違うのではと思い、C君にそのことを話しました。
 「俺も迷ったけど、学校の先生が工業系のB校のことを薦めてくれなかったから行けないと思ってA校にした」
 「でも、大切なことやから、ちゃんと考えたほうがいいよ。A校とB校の学校のパンフレットを持っいるなら一緒に比べてみよう」と提案しました。
 12月の寒い日でしたが、C君はいったん家に帰って、二つの学校のパンフレットを持ってきてくれました。そこから、就職先の会社を比べたり、資格がどれくらい取れるのかをみていきました。
 「やっぱりB校の方が君が入りたい車関係の会社にも就職できるよ」と言うと、C君は「ほんまやなあ。俺、B校のほうが向いていると思う。おかんも工業系の学校に行ってほしいと言っていたし」ということでC君は次の日、担任の先生に志望校の変更をたのみ、受け入れてもらうことができました。そして、B校に合格することができました。
 卒業式の日、C君が塾に顔を見せてくれました。すっきりした笑顔で「卒業しました。ありがとうございました」と頭を下げるC君に出会い、C君をここまでにしたのはお母さんを支えたいというC君の変わらぬ気持ちだったのではと改めて感じました。
 表面上は親にたいして「うざい」とかきつい言葉を投げかけていても、本心は親との絆を大切に思っているやさしい心をどの子も持っているのだと思います。
 そのことを信じて、中3生の皆さん、新しい高校生活が充実した日々となりますことを心より祈っています。


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