国語の勉強の取り組み方

国語の勉強の取り組み方
  科目の勉強の取り組み方の3回目は国語です。テスト前になって生徒さんに「国語は何を勉強したの」と聞くと、ほとんど「漢字だけ。あと何やったらいいかわかれへん」という返事が返ってきます。保護者の方からも「国語力というか文章を理解する力がないから算数や数学の文章題が解けないんです」と言ったお声も耳にします。
 確かに国語はどのように勉強したらいいのか他の科目に比べると迷ってしまいます。範囲が決まっている定期テストよりも実力テストになるとどんな問題が出るのか現代文は予想がつかないからです。
 国語はすぐに実力がつく科目ではありません。「読む力」「自分の考えを伝える力」そして「自分の考えを文章に表す力」が必要です。
 最初の「読む力」は日頃から美しい文章に触れることが大切です。
本を読むのが苦手な人は少し大きめの文字で書かれた伝記物語を読むことをおすすめします。どんな偉人でも最初から偉人だったのではなく、子ども時代があり、いろいろなことを経験して成長していった過程を追体験できます。
 もちろん、推理小説や歴史小説が好きな人はそのジャンルから読み始めていってもいいと思います。塾でも学校の教科書の文章ではなくできるだけいろいろな文章を音読することをしています。
 声に出して読むことで読めない漢字がわかり、みなで順番に読むことで集中することができます。そう言えば算数や数学の文章題も声に出して読むと頭の中で整理ができるようになります。
 次は「自分の考えを伝える力」です。この力を育むのに大切なことは人の話をしっかり聞くということです。人に伝えるためにはまず相手が何を言っているのかわからないと自分の意見を述べることはできません。
 私は小学生に「話すことは相手とキャッチボールをしているようなものです。だから相手が投げてきた言葉を心でしっかり受けとめ、それから自分の気持ちを相手の心に届くように投げ返すことをしないとだめだよ。人の話を聞かないことは、言葉のボールを相手がいない所に投げてしまうことになるから」と話しています。
 そして、本人の思いがまとまるまでは待つ姿勢も必要ですし、自分の気持ちを伝えることが苦手な生徒さんにはその子が言ったことを「それはこういうこと?」と相手に聞き返したり、こちらが話したことをどれだけ相手が理解したかどうか「今、話したことで何がわかったの」ともう一度確認を取るように心がけています。
 最後はいわゆる「文章表現力」です。自分の気持ちが話せてもそのことを文章にするのは別のことです。読書感想文、高校の志望動機の文や大学の小論文など作文は意外と書く機会が多いものです。私はよく生徒の作文に同伴します。そして日頃から文章を書くことに慣れてもらうために、塾では毎回の授業の終わりに今日の勉強でよかった点、次回への改善点などを短くても書いてもらうようにしています。
 春期講習などの講習のときは必ず、最終日に講習を通しての感想を書くように時間をとっています。初めは「何書いていいかわからない」と言っていた生徒さんもだんだんそれが習慣になってきています。
 では、最後に国語が苦手な人への点数の取り方のアドバイスです。国語も問題に対しての答え方が決まっていて「~とはどういうことですか」と問題があれば答えは「~こと」と答えを書きますし、「なぜ~ですか」との問いには「~だから」と答えを結びます。また、「それは何を示していますか」の問いはその文の前後の文章から答えを探していきます。それから古文や文法は中学生の場合、出題文が限られているので比較的取り組みやすいし、文法は動詞や形容詞、形容動詞の活用を覚えるとかなりの得点になります。
 これまで英語・数学・国語と勉強の取り組み方についてお話をしてきましたが、問題集の選び方も重要です。塾では、主に塾専用教材を使用していますが、市販の問題集の中にも取り組みやすいものもたくさんあります
次回は、社会・理科の勉強についてとなります。その時におすすめの問題集をいくつかあげてみますので参考にしてみてください。