子どもたちの可能性が開くために-2

子どもたちの可能性が開くために-2
過信・不信から本当の自信へ

 S子さんは、どちらかと言うと人前で自分のことを話すのが苦手な女の子でした。
 こちらがたずねても、いつも下を向いて顔を上げて人と話をしたり、はっきりと自分の意見を言うのは学校でも少なく、お母さんの話では学校の担任の先生から「クラスの中だと目立たなくなってしまう」と言われるそうです。
 ですから、塾に入った当初は、わからないのかわかっているのかの意思表示がなく、どのように関わっていいのか戸惑った時期もありました。しかし、毎月の目標シートに取り組み、「顔を上げて質問できるようになる」と毎回記入する中で、少しづつ声も大きくなり、顔を上げるように努力している様子でした。
 それと共に家ではいつも算数がわからないとお母さんに教えてもらい、それでも理解できないと泣きだすので、お母さんもどう対応していいのか困っておられました。
 それが、いつのまにかその行為がなくなっていったそうです。そして、春期講習中は、はっきりした声で「先生、何ページの何番がわかりません」と質問をし、塾に入って間もない同じ学年のK子さんがわからないときは教えてあげるようになりました。
 S子さんのシートの感想です。「今回は、計算問題でのミスも少なくなりました。でも国語の漢字があまり書けませんでした。これからは、過信ではなく自信を持って勉強していきたいです」
実は、春期講習中、国語のテストで漢字がほとんど書けていなかったS子さんやK子さんに私はこのような話をしました。
 「勉強においても何においても、わからないことに対して自信を持つことはとても大切だと思う。自信とは自分を信じると書くでしょ。だから心の中で私はきっとできるようになると信じて問題にあきらめずに向かい合ってほしい。でも、これくらいの問題は解ける、大丈夫と思い込むことは過信と言います。また、自分には絶対無理と自分を信じないのは不信になります。どちらも違うと思う。みんなには本当の意味で自信を育ててほしいと思う」と結びました。
 そのことを覚えてくれていて、S子さんは感想を書いてくれたのではと思います。
こちらが子どもだからむつかしいことを言っても理解できないだろうと思い込むのではなく、相手の心に響くように真剣に伝えることで全て分からなくても、心に残るものだとS子さんの感想を読んで思いました。
 たとえ、口には出さなくても子どもたちは心で感じてくれている。このこともやはりシートを作成して、思いを文章にしてもらわないとわからなかったことです。どれだけ一人ひとりの気持ちを引きだすことができるかは日頃からのこちらの心構えが常に問われているのではと責任を感じました。(終わり)


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