時には子どもの力を信じて見守る側に立ってみませんか
時には子どもの力を信じて見守る側に立ってみませんか
中3のK君のお母さんはとてもしっかりしてK君の勉強にも熱心な方です。そのK君の進路について学校での面談で受験校に変更がありました。普段は冷静なお母さんもやはり心配で何回か電話がありました。幸い最終的には希望していた学校を受験できることになりました。私はその経過をあるがままにT君に伝えてほしいとお願いしました。当初、K君のお母さんは希望の学校を受験できるかどうか難しいとの担任の言葉をそのまま言うと本人がショックになると思っていました。しかし、実は「むずかしいことをこの子に言ってもわからない」と感じていることに気づかれました。そして、振り返ってみるとこの事に限らず「この子に話してもわからない」といつも結論だけをK君に言ってきたそうです。確かに中学生にとってこちらの話が理解できない時もあります。しかし、大切なことはわからなければわかるように話すようにこちらが変わることもK君の心の成長につながるのではと伝えました。K君のお母さんは「これまでの経過を出来るだけ丁寧に本人に話すようにします」と言われ、それ以後、K君は何かふっきれたように勉強に集中するようになりました。私たちはともすれば「子どもはこういうもの」というような思い込みや決めつけを持ってしまうことがあります。しかし、子どもたちは私たちが思っている以上に受験というハードルを乗り越えられる力を内に秘めています。手を差し伸べることも大切ですが、時には信じて見守る側に立つことも私たちに呼びかけられているのではないかと最近思います。